人名辞典(江戸・明治)
江戸時代
- 徳川家康
- 戦国時代、三河の大名。
江戸幕府初代将軍。織田信長と同盟を結んだ。
はじめ豊臣秀吉と戦ったが、和解し天下統一に協力。
秀吉の死後、関が原の戦いで勝ち実権を握る。
1603征夷大将軍に任ぜられ、江戸幕府を開いた。
- 徳川家光
- 第三代将軍。家康の孫。参勤交代、キリシタンの禁止と鎖国の完成
など幕府の政治の仕組みを完成させた。
- 徳川綱吉
- 第五代将軍。学問を好み始めは善政を行ったが、
晩年は側近に政治を任せ悪政となった。
生類憐みの令が有名。また、浪費により幕府の財政が悪くなった。
綱吉の治世に元禄文化が栄えた。
- 新井白石
- 儒学者。第六代、七代将軍に仕えて政治を行った。
- 徳川吉宗
- 第八代将軍。紀伊藩主から将軍となった。
質素倹約、公事方御定書の制定、目安箱の設置、
新田開発など享保の改革を行った。
米価の安定に努め米将軍と呼ばれた。
- 田沼意次
- 老中(第十代将軍のとき)。このころ発展してきた商業に目をつけ、商業中心の政治を行った。商人の財力を利用して開発や、長崎貿易の拡大、株仲間を奨励し税をとるなどした。わいろが横行し、大商人と幕府の利益を中心とした政治との批判が高まり、天明のききんによって失脚した。
- 松平定信
- 老中。吉宗の孫。白河藩主として天明のききんを切り抜けた。その後、老中となり田沼の後に政治を行う。享保の改革を手本として寛政の改革を行い、質素倹約と学問の奨励、ききんに備えて米を蓄え、出かせぎの農民を村に帰させ、武士の借金帳消しなどをおこなった。
- 大塩平八郎
- 元幕府の役人。天保のききんに対する幕府の対応に不満を持ち、人々を救うために大阪で乱を起こすが直ぐに鎮圧されてしまった。
- 水野忠邦
- 老中。天保の改革を行ったがあまりうまくいかなかった。
- 吉田松陰
- 長州藩士。尊王攘夷論者。松下村塾で明治維新に活躍する人材を育てるが安政の大獄で処刑された。
- 井伊直弼
- 大老。日米修好通称条約を結んだ。
批判に対し安政の大獄という弾圧を行った。
元水戸藩の浪士に暗殺された(桜田門外の変)。
- 坂本竜馬
- 土佐藩士。長州藩と薩摩藩を仲介して薩長同盟を結ばせた。
- 徳川慶喜
- 第十五代将軍。大政奉還を行った。
- 井原西鶴
- 浮世草子の作者。町人の生活を生き生きと小説に描いた。
「日本永代蔵」「好色一代男」など。
- 近松門左衛門
- 人形浄瑠璃、歌舞伎の作者。義理と人情の板ばさみとなる人々の苦悩や男女の愛情のもつれなどを描きました。「曽根崎心中」など。
- 松尾芭蕉
- 俳諧の作者。芸術性の高い俳句を確立した。「おくのほそ道」など。
- 安藤広重
- 浮世絵師。「東海道五十三次」など。
- 葛飾北斎
- 浮世絵師。「富嶽三十六景」など。
- 本居宣長
- 国学者。古事記を研究して「古事記伝」をあらわした。
- 杉田玄白
- 医師、蘭学者。前野良沢らとともにオランダ語の解剖書を翻訳した「解体新書」を出版。
明治時代
- 岩倉具視
- 公家出身の政治家。幕末から明治維新にかけて活躍。
条約改正のために岩倉使節団を組織して欧米を訪問。
条約改正はできなかったが欧米各国を視察し帰国後は征韓論を退け内政充実に努めた。
- 木戸孝允(桂小五郎)
- 長州藩出身の政治家。
松下村塾に学び尊王攘夷運動の中心人物。
明治政府の中心的存在。岩倉使節団にも参加。
西郷、大久保とともに維新の三傑と称される。
- 大久保利通
- 薩摩藩出身の政治家。幕末は倒幕運動に活躍。
明治維新でも政府の中心的存在。
岩倉使節団に参加し帰国後は政治の実権を握った。
明治維新に不満を持つ士族によって暗殺された。
木戸、西郷とともに維新の三傑と称される。
- 西郷隆盛
- 薩摩藩出身の政治家。倒幕に活躍。
明治政府でも中心的存在として活躍。
征韓論がかなわず政府を去った。
人望があり、不平士族にかつがれて西南戦争を起こした。
西南戦争に敗れて自殺。木戸、大久保とともに維新の三傑と称される。
- 伊藤博文
- 長州藩出身の政治家。
松下村塾に学び尊王攘夷運動では重要な役割をはたした。
明治維新でも活躍。特に維新の三傑なきあとの藩閥政治の中心。
憲法制定のためヨーロッパに渡りドイツの憲法を調査。
初代内閣総理大臣。立憲政友会総裁。韓国統監。
朝鮮人の安重根に暗殺された。
- 板垣退助
- 土佐藩出身の政治家。
明治政府の参議だったが征韓論がかなわず政府を去った。
そのあと自由民権運動を指導。立志社、愛国社(のち国会期成同盟)、自由党。
- 大隈重信
- 肥前藩出身の政治家。
明治政府で制度の確立に努めるが、自由民権運動がおこると
これに同調し国会の即時開設をもとめ伊藤博文らと対立。
政府を去って立憲改進党を設立。また、早稲田大学を創立したことも有名。
- 中江兆民
- 土佐藩出身の思想家。フランスの思想家ルソーを日本へ紹介し「東洋のルソー」と称された。自由民権運動の理論的指導者。
- 植木枝盛
- 土佐藩出身。自由民権運動の理論的指導者。
- 幸徳秋水
- 社会主義者。日露戦争直前に非戦を訴えた。大逆事件でつかまり処刑された。
- 内村鑑三
- キリスト教徒。日露戦争直前に非戦を訴えた。
- 陸奥宗光
- 政治家、外交官。日清戦争直前、外務大臣としてイギリスとの間で治外法権の撤廃に成功。
- 小村寿太郎
- 外交官。1911年関税自主権の回復に成功。
- 福沢諭吉
- 思想家、教育家。慶応義塾大学の創設者。
「学問のすゝめ」をあらわした。
- 津田梅子
- 教育家。日本の女子教育の先駆者。初めての女子留学生。津田塾大学の創始者。
- 与謝野晶子
- 作家、歌人。ロマン主義。日露戦争中「君死にたまふことなかれ」で反戦をうたう。歌集「みだれ髪」など。
- 坪内逍遥
- 小説家、文学者。「小説神髄」で写実主義を主張した。
- 森鴎外
- 軍医、小説家。夏目漱石と並ぶ明治の文豪。「舞姫」など。
- 夏目漱石
- 小説家。森鴎外と並ぶ明治の文豪。「坊ちゃん」「吾輩は猫である」「三四郎」「こゝろ」など。
- 岡倉天心
- 美術家、美術評論家。フェノロサの助手となり日本画、日本美術の復興に力をつくした。
- 黒田清輝
- 洋画家。「湖畔」など。